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Kyoto, Agriculture

2026.05.10

ワックジャパン 市川でございます。

今回はいつも「京都農業体験コース」でお世話になる「都市のゴミが、明日の野菜を育てる」そんな素敵な循環を形にしている中嶋農園さんの取り組みをご紹介します。

京都の伝統的な農業地帯でありながら、住宅地も広がる伏見区向島(むかいじま)。ここは京都市の南端で畑の南側は宇治市。すぐ横を宇治川が流れます。この「都市近郊」という立地を最大限に活かし、現代の課題である食料問題と環境問題に一つの答えを出しているのが、中嶋農園さんです。

「捨てる」を「育てる」へ、資源のループ

中嶋農園さんが実践する循環型農業の核は、飲食店との連携にあります。通常、レストランから出る野菜くずなどの食品残渣は「ゴミ」として焼却処分されますが、中嶋農園さんはこれを自社で回収。手間暇かけて発酵させ、栄養たっぷりの完熟堆肥へと作り変えます。

この肥料で育った京野菜が、再び同じ飲食店のテーブルに並ぶ——。この「資源のバトン」が、無駄のない持続可能なサイクルを生み出しているのです。

化学肥料に頼らない、自給自足の強さ

昨今の世界情勢による化学肥料の価格高騰は、日本の農業に大きな影を落としています。しかし、中嶋農園さんは地域にある資源(食品残渣)を活用することで、肥料の自給を可能にしました。

「外から買う」のではなく「地域で循環させる」仕組みは、経営を安定させるだけでなく、土壌の微生物を活性化させ、力強い野菜本来の味を引き出すことにも繋がっています。

「顔が見える」から生まれる安心と絆

中嶋農園さんの強みは、畑と消費者の距離が圧倒的に近いことです。自社トラックで直接野菜を届けることで、シェフや住民の声を直接聞き、畑にフィードバックする。単なる「生産者と消費者」の関係を超え、お互いに「ありがとう」と言い合える関係性が、地域コミュニティを支える新たなインフラとなっています。

未来へつなぐ、土とのふれあいを子供達と

中嶋農園さんでは、収穫体験や食育イベントにも力を入れています。子供たちが自分の手で土に触れ、ゴミが野菜に変わる過程を学ぶことで、次世代へ「命の循環」を伝えています。

そういえば、体験で訪れた時に大きなアヒルたちがいましたが、ヒナのうちは、田んぼに放しておくと虫を食べ、歩き回る事で土を耕し、糞が肥料になるんだと聞いてものすごく納得したのを覚えています。そして大きくなったアヒルは田んぼを歩くと稲を倒してしまうので、その後、ありがたくいただくのだそうです。このことはしっかりと子供達にも見せ、見せることでショッキングではあるけど、痛みを知ることで、イジメをなくしたり、命の大切さを学ぶいい機会なんだと。子供達にこそ、「循環」を体験してほしいと思います。

私たちの食卓に並ぶ一皿の野菜。その裏側にある、京都・中嶋農園さんの「循環の物語」を知ることは、私たちがどのような未来を選びたいかを考える、いいきっかけになるはずです。

私たちの日本文化体験ツアーで、いつも温かくゲストを迎えてくれるのが中嶋農園 代表の中嶋さん。

中嶋さんは、野菜はもちろん、畑に集まる小さな生き物たちにも慈しみを持って接する、本当に心優しい生産者です。

以前、中嶋さんから聞いた「土が良ければ、野菜は勝手に美味しくなる」という言葉には、自然への深い敬意が込められています。彼が野菜に注ぐ愛情は、収穫体験をするゲストの皆さんにも伝わっているようで、泥だらけになって野菜を掘り起こすゲストの顔には、いつも満面の笑みがこぼれます。中嶋さんの日に焼けた素敵な笑顔が呼び寄せるのか、日本はもとより世界中から循環型農業の話を聞きに様々な方が訪れています。

京都には、中嶋農園さんの他にも、地域の特色を活かしたユニークな循環の形が生まれているので一部を紹介します。

京丹後市の「カニ殻」リサイクルは、旅館などから出る大量のカニ殻を回収・粉砕し、肥料や土壌改良材として活用。これで育った農産物を再び旅館で提供するという、観光と農業が見事に融合したサイクルです。

また、京都市では、動物園から出るゾウの糞と、お茶の製造過程で出る茶殻を混ぜて堆肥化し、茶畑に還元するという実証試験を行っています。

 

私たちも中嶋さんの畑を訪れるたびに、日本の食文化の根底にある「自然との調和」の大切さを教わっています。単なる観光的な体験ではなく、中嶋さんのような情熱ある生産者との出会いこそが、日本で最も贅沢な体験になると私は信じています。

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京都農業体験コース<プライベート>京都で循環型農業を学び日本の食文化と心豊かに向き合うひとときを!

https://wakjapan.com/jp/course/id_98/

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